第6展示室(2)

カートリッジフィルムのカメラ

cameras for cartridge film

カートリッジフィルムの必要性

 写真は,人々の思い出を記録する,すばらしいシステムである。しかし,カメラを一般の人が使うことは,決して容易ではなかった。操作に,それなりの知識や慣れが必要だったからである。そのような問題点の1つに,フィルムの装填があった。
 カートリッジフィルムは,フィルムの装填を容易にした。また,カメラそのものの構造も簡単になり,低価格化にも貢献した。

簡便なカメラが主流

 誰にでも簡単に使えることを目指したカメラであるため,複雑な機能をもたない簡便なカメラが多いことも特徴といえよう。カメラの価格も押さえられており,それに見合って,固定焦点や固定露出のものも多い。
 システムカメラとしては,126カートリッジのINSTAMATIC REFLEXや,110カートリッジのPENTAX AUTO110などがあったが,全体的には高級機があまり登場せず,結果として35mmフィルムに変わって主流の座を占めるには至らなかったようだ。
 IX240フィルムもカートリッジフィルムの一種といえよう。このフィルムを使うカメラ(いわゆるAPS)は,高級機も多く発売されたが,この分野から撤退するメーカーもあり,今後の展開は予断を許さない。ディジタルカメラの普及の影響が大きいといわれている。

IX240カートリッジフィルム

 1996年に登場した規格。フィルムには磁気記録部があり,コマごとにプリント情報や撮影情報などが記録でき,ラボでのプリントの際にそのデータを活用することができるようになっている。このシステム全体は「アドバンスト・フォト・システム(APS)」とよばれた。
 画面サイズはライカ判の約60%程度にあたる16.7mm×30.2mmである。このサイズはH(ハイビジョン)サイズとよばれる。撮影時に,ライカ判と同様の縦横比になるように左右をトリミングしたCサイズや,いわゆるパノラマサイズになるように天地をトリミングしたP(パノラマ)サイズでプリントするように指定できる機能が準備されている。また,カートリッジを撮影途中に交換できる機能も準備されている。ただし,廉価なカメラでは,これらの機能が省略されている場合もある。
 ニコンやキヤノン,ミノルタなどからは,このフィルムを使用するシステム一眼レフカメラも発売されたが,ディジタルカメラの登場と時期が重なったこともあり,その流行は短期間で終わった。

フジ ネクシアQ1(キューワン)

FUJI / nexia Q1


ディスクフィルム

 1982年に登場した規格。直径6.5cmで,4×5判シートフィルムのように厚い円盤状のフィルムがケースに入ったもので,フィルムの周囲に15コマが撮影できるようになっている。カメラが非常に薄くなるというメリットがあったものの,8.2mm×10.6mmという小さな画面サイズが災いしたのか,日本国内ではあまり普及することもなく,早くからフィルムの入手が困難になり,現像処理もおこなわれなくなった。また,アメリカでも,1998年末でフィルムの製造が完全に終了した。

コダック ディスク4000

Kodak / disc4000


110カートリッジフィルム

 1971年に登場した規格。カートリッジには,幅16mmで裏紙のついたフィルムが入っており,画面サイズは13mm×17mmである。「ポケットインスタマチック」という名称で発売されたが,後には「ポケットフィルム」「ポケットサイズ」あるいは「ワンテン」とよばれるようになる。レンズ交換の可能なシステム一眼レフから,まさにおもちゃのごときカメラに至るまで,さまざまな種類のカメラが登場して一時はかなり普及したものの,35mm判カメラの小型化が進むと,画質面で不利なためか,次第に使われなくなっていった。富士フイルムは,2009年9月に販売を終了する予定であることを発表している。

ペンタックス オート110システム

ペンタックス オート110 (ワンテン)

PENTAX / auto110


オート110用広角レンズ 18mm F2.8

PENTAX / PENTAX-110 18mm F2.8


オート110用望遠レンズ 50mm F2.8

PENTAX / PENTAX-110 50mm F2.8


その他のポケットカメラ

ナショナル ラジカメC-R3

National / Radicame C-R3


コダック エクトラ200

Kodak / EKTRA200


ポケットフジカフラッシュAW

FUJI / Pocket FUJICA Flash AW


ポケットフジカ350ズーム

FUJI / Pocket FUJICA 350 Zoom


ミノルタ ポケットオートパック70

MINOLTA / POCKET AUTOPAK 70


サンパック SP-1000

SUNPAK / SP-1000


イキモノシリーズ ハリネズミカメラ

(unknown) / HARINEZUMI camera

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126カートリッジフィルム

 1963年に登場した規格で,「インスタマチック」とよばれた。カートリッジには,幅35mmで裏紙のついたフィルムが入っており,画面サイズは26mm×26mmである。一時は,レンズ交換可能なシステム一眼レフカメラから簡便なカメラまで,多くのラインアップがそろっていた。しかしながら,フィルム装填こそ簡単になったものの,カメラ全体の小型化に貢献したとは言い難いせいか,さらに小型の110カートリッジフィルムが登場すると,急速に使われなくなったようである。コダックでは,1999年末をもって,フィルムの販売が終了した。

コダック インスタマチックレフレックス

Kodak / INTAMATIC REFLEX


コダック インスタマチック25

Kodak / INSTAMATIC25


ハリーナC1

Halina / C1


16mmカートリッジフィルム

 幅16mmのフィルムがカートリッジにはいったもので,ミゼット判とよばれる画面サイズが10mm×14mmのフィルムを使用するカメラと,クォーターサイズとよばれる画面サイズが12mm×17mmのフィルムを使用するカメラとが,一般的に16ミリカメラとして扱われているようである。いずれの規格のフィルムも,すでに製造されていない。

ミノルタ16PS

Minolta / 16PS